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2010年6月20日日曜日

「生徒会の八方」感想

生徒会の八方で、物語が大きく動きます。
一話完結の生徒会の日常風景を描いたものも、もちろんあります。

卒業式も迫り、物語も終盤に近付いてきたようなので、ここで、葵せきな先生の前作「マテリアルゴースト」について。生徒会の一存シリーズとの比較をしてみることで、きっと気付くこともあると思います。

マテリアルゴースト4巻の冒頭の一文を引用します。
「どうしてあの結果に至ってしまったのかという問いに対しては、今の僕でも、ハッキリと答えを返すことができない」
この物語の主人公の式見蛍(しきみけい)は、杉崎鍵と同じように、複数の女の子から好きという感情を持たれます。それに対して彼はどのような決断をしたのか? あなたは、この冒頭の一文から何を感じるでしょうか?

さて、ここで、真儀瑠紗鳥の存在が大切になってきます。
彼女は式見蛍の先輩で、同時に式見蛍を好きになった一人の少女でもあります。
それから年月が経ち、今では碧陽学園生徒会顧問です。彼女の目から見て、杉崎鍵の恋愛はどのように見えるでしょうか? かつて杉崎鍵と同じような悩みに苦しんだ式見蛍を当事者として見ている分、杉崎に思うところもきっとあるでしょう。
真儀瑠先生なら、かつての経験をもとに、杉崎に何か大切なことを伝えられるかもしれないと、思っています。でも彼女のことだから、言葉には出さないかもしれませんね。

生徒会の八方で、真儀瑠先生の出番は少ししかありませんし、それも杉崎の恋愛とは関係のないものです。真儀瑠先生の過去も見つめ、今の彼女なら杉崎にどう言うかを考えてみてほしくて、彼女のことを書かせていただきました。

「生徒会の八方」で物語は進みますが、まだ完結はしていません。杉崎鍵と、彼を好きになった女の子たち。皆の想いは、これからどのように動いていくのか、楽しみにしています。

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